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自分で下した決断に 何を迷うことがあろう 邪魔はさせない たとえ相手が 誰であろうとも 「お願いっ その印綬を返してたもれ…!」 悲痛な、その女性の声は、つい先程まで帝の妃であった人だ。 その父親が謀反を企てたことにより、一族に制裁がくだされる。 「せめて、子が生まれるまで…ッ」 泣き、叫びながら警吏に引き立てられていくその人の姿を目にした私は 反射的に主の視界を遮った。 主は、その声を聞いても眉ひとつ動かさなかったが 私が視界を遮った時に、一瞬たじろいだ表情を見せた。 だがすぐに頑なな視線に変った。 時に 非情な決断を下される 大きなものを背負っておられるのだ だからこそ 目を瞑ることも必要だ 手を汚すのは、我らでいい |
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